相続・遺言NEWS

News

亡くなった順番で相続人が変わる!

2020.06.29相続について

先日、相続のご相談を承ったのですが、相談者の兄の配偶者(相談者から見て義理の姉)が亡くなったため、相続手続をどうやって進めたらいいか?という内容でした。

いくつか質問をさせていただいたところ、残念ながら相談者の方は亡くなられた方の相続人には該当しないことが分かりました。

どういうことか?

今回は相続人になるかどうか、が相続発生の順番で変わってくる例を詳しく説明していきます。

相談者(二郎)の兄(一郎)は、花子と結婚後、子どもはなく、花子より先に他界しました。
その時には、花子と二郎で協力して、一郎の相続手続を行ったとのことです。
今回も同様に、亡くなった花子の相続手続を残った二郎がやらなければ、と思いご相談に至ったとのこと。

亡くなった方の相続人が誰になるか、は別記事でもご紹介しておりますので詳しくはそちらをご確認いただければと思いますが、今回は、亡くなった方の兄弟姉妹(またはおいめい)が相続人になる、というケースです。

つまり、一郎の相続発生時には二郎が相続人でしたが、花子の相続発生時には義理の兄弟である二郎は相続人にならない、ということになります。

花子の相続手続は、花子の兄弟姉妹(またはおいめい)によって進めることになるため、生前とても仲が良く近い関係でいた二郎ですが、今回は何もできないことになります。

ただし、もし一郎よりも花子が先に亡くなっていたとしたら、
話は変わります。

花子が亡くなった後に、相続手続をしないまま一郎が亡くなった場合には、二郎は一郎の相続手続はもちろんのこと、花子の相続手続も行うことができます。
このような状態を、「数次相続」と言います。

花子の相続人は配偶者である一郎と花子の兄弟です。

一郎が相続人になるため、もし一郎が亡くなった場合には、一郎の相続人が一郎の権利を承継し、相続人としての地位を取得します。
ここまでのお話をまとめると、①、②の順に相続が発生した際、二郎が相続人になるかどうかは下記のとおりです。

①一郎死亡 ②花子死亡 → ①相続人 ②相続人ではない

①花子死亡 ②一郎死亡 → ①一郎の数次相続人 ②相続人

今回の事例では、二郎が相続人とならないため、花子の遺産については疎遠な花子の兄弟姉妹に動いてもらわないと相続手続が進められない形でした。

人は誰もが、自分がいつ亡くなるか、知ることはできません。

亡くなる順番で、親しい人が相続人になる、ならないが変わってしまうこともあるため、ご自身の財産は誰に遺したいか、お墓は誰に守ってもらいたいか、など予めよく考え、準備をしておくことをお勧めします。