よくある質問

Q & A

Q

債務は遺産分割できないと聞きましたが、本当でしょうか?

A

銀行借入などの債務については、平成12年1月28日付の最高裁判決で次のようになりました。「相続人は、相続分に応じて債務を負担することになる」つまり、債務とは遺産分割協議の対象となるものでなく、相続が発生したと同時に各々の法定相続分に応じた債務を自動的に負うことになるということです。
ただ、実務的には相続人間で債務の承継人を取り決め、その人が債務を承継するという形になります。しかし、債務の承継者が債務の弁済を履行できなくなった場合は、他相続人に債務の弁済を求められる場合があります。

Q

預金の解約はどうすればできますか?

A

通常、被相続人の死亡が確認されると、各金融機関の方で預貯金は凍結され一切の出金等ができなくなります。
この凍結を解除するにはどのようにすれば良いのでしょうか。すべての遺産分割協議が終了し、遺産分割協議書を作成すれば当然解除することができますが、それ以前にも解除する方法があります。相続人全員の同意があれば、銀行所定の書類へ記入すれば解除することが可能です。

Q

生命保険金も遺産分割の対象となりますか?

A

死亡保険金で受取人が指定されているものは、受取人として指定されている相続人固有の財産となり遺産分割の対象とはなりません。しかし、みなし相続財産となり、課税対象となりますのでご注意下さい。

Q

受取人の指定のない死亡保険金はどのように分割すればよいですか?

A

昭和40年2月2日の最高裁判決によりますと、「相続人が複数いる場合はその人数で頭割りした金額が各相続人に帰属する」となっています。法定相続分ではなく、各自均等に分割した額ということです。しかし、保険会社の契約約款などで決められている場合は、その契約約款に従った人が受取人となります。

Q

生前に相続放棄を行うことは可能ですか?

A

生前に相続放棄を行うことはできません。民法915条により、相続の放棄は相続開始を知った日から3ヵ月以内と決められています。相続人当事者間で覚書等を作成していたとしても法的には無効となります。相続の放棄は、家庭裁判所において放棄の申述をしなければ正式に認められません。
なお、遺留分の放棄については、正式な手続きを踏めば生前にも行うことができます。

Q

遺産分割協議のやり直しはできますか?

A

一度、遺産分割協議が成立した後に、内容を少し変更したい等の理由で再度遺産分割をやりなおすということは法律的には可能です。
しかし、税務上遺産分割協議のやり直しは、贈与となり、贈与税の負担が生じてしまいます。

Q

遺言と異なる遺産分割は可能でしょうか?

A

可能です。遺言により遺産を取得する者全員の同意があれば遺言を無視して遺産分割協議を行うことできます。
ただし、相続人以外の第三者が遺言により遺産を取得することになっている場合で、相続人全員の同意でこの第三者を無視して遺産分割協議を行うことはできません。

Q

遺産分割協議が成立するまでの間の賃料収入は誰のもの?

A

相続開始日から遺産分割協議成立までの間に発生する賃料収入は、どの相続人に属するのでしょうか?当該対象となる賃貸不動産を相続することとなった相続人に属するとも考えられます。しかし、平成17年9月8日の最高裁判決によりますと、「賃料債権の帰属は、後にされた遺産分割の影響をうけないものというべきである」となっています。
つまり、この賃料については、各相続人が法定相続分に応じて分けるということになります。
なお、当該賃料収入については、相続人全員が確定申告しなければなりません。

Q

申告期限までに遺産分割がまとまらない場合は?

A

申告期限である10か月以内に遺産分割協議がまとまらない場合は、未分割の状態で申告をすることになります。相続人が法定相続分で相続したと仮定し、仮の税額計算を行い税金を仮払いしておくことになります。もちろん、遺産分割協議がまとまれば、その時点で再度申告を行い、払い過ぎていた税金は返還されることとなります。

Q

相続財産の中に過去の相続分で、名義変更(相続登記)していないものがある場合は?

A

被相続人の相続財産の中に、被相続人が過去に他の相続で取得したが、被相続の名義に変更していない財産がある場合はどのようにすればよいのでしょうか。
この場合は、過去の相続に遡って、相続人全員の実印及び印鑑証明書が必要となります。
なお、過去の遺産分割が終了していない場合についても、同様となります。

Q

行方不明の相続人がいる場合はどうすればよいでしょうか?

A

相続人が家出や蒸発で行方が分からず、遺産分割協議に参加させることが難しい場合には以下のような方法があります。
① 家庭裁判所に失踪宣告を申し立てる(行方不明者の生死が明らかではなく、7年以上の年月を経過している場合)
② 不在者の財産管理人を家庭裁判所に選任してもらい、財産管理人が家庭裁判所の監督のもとで遺産分割協議に参加する。

Q

相続の放棄や限定承認の期限は?

A

相続の放棄や、限定承認などを家庭裁判所に申し立てる期限は、相続人となったことを知った日から3ヶ月以内です。

Q

ある特定の相続人を排除したいのですが?

A

次のような推定相続人からは、家庭裁判所に請求することにより、相続権を奪うことができます。
① 被相続人を虐待した者
② 被相続人に重大な侮辱を加えた者
③ そのほか著しい非行があった者

Q

遺留分減殺請求の期限は?

A

相続があることを知ってから1年以内。また侵害されていることを知らなかった場合には、それを知ってから1年が期限となります。

Q

相続人に未成年者がいる場合はどうすればよいですか?

A

遺産分割をする場面において、親権者が相続人とならない場合は特別代理人を選任する必要はありませんが、 親権者と未成年者の利益が相反する場合には特別代理人を選任する必要があります。